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『アマゾンに挑んだ草創の日本人』を上映=水曜シネマ=過去最高の545人を記録=パナソニック社提供の新プロジェクターも披露

ニッケイ新聞 2009年9月9日付け

 映像制作会社「アステル・ド・ブラジル」(篠崎勝利代表)が制作した証言映像集『アマゾンに挑んだ草創の日本人~第一回移民乗船者の証言~』(八十五分)、『子供たちの百年 ブラジルに渡った少年少女たちは、今!』(五十三分)が二日午後、文協水曜シネマで上映された。過去最高の五百四十五人が来場、「パナソニック・ド・ブラジル」(松田雅信社長)提供による新プロジェクターで従来に比べ、明るくなった映像を楽しんだ。

 木多喜八郎文協会長に続き、壇上であいさつに立った松田社長は、「半永久的に使ってもらい、映画を楽しんでほしい」と述べた。
 ブラジル初となる両ドキュメンタリーの上映を企画した篠崎代表は、「アマゾン先駆者の歴史の証言を聞くことで、我々移住者が共有できることがあるのでは」とその理由を話した。
 続けて、撮影後の今年七月、八十一歳で亡くなった第一回トメアスー移民の横山禮子さんについて、「魂はここに来ていると思う。苦闘の人生を送った横山さんに拍手を送ってほしい」と会場に呼びかけるなど、心温まるスピーチを行なった。
 『アマゾンに挑んだ草創の日本人~第一回移民乗船者の証言~』は、第一回トメアスー移民五人、ヴィラ・アマゾニアに入植した日本高等拓植学校卒業生(高拓生)関係者らが語るオーラルヒストリー。
 休憩の後、一九三一年からの五年間、ブラジルに移住した当時八歳から十四歳までの子供たちを追ったドキュメンタリー作品『子供たちの百年 ブラジルに渡った少年少女たちは、今!』も上映された。
 神戸の移民収容所で書いた作文集をもとに、ブラジル各地で健在の十人を取材。約八十年前に書いた作文の記憶を辿りながら、移住後の人生を語る姿に来場者らは見入っていた。
 高橋孝英さん(81、山形)は、「みんな大和魂を持っていると感じた。石にかじりついても頑張って見せる度胸がある」と感心した様子。
 横山レイ子さん(69、鹿児島)は、「どの方も親の教育が行き届いている。昔の人は違いますね」と話していた。
 篠崎さんは、「コロニアの方に見ていただきたい一心で上映会を催した。会場も満席になり、嬉しく思う」と満足そうな笑顔を見せていた。
 なお、アステルでは、両作品の上映を希望する地方の団体があれば、無料でDVDを貸している。申し込みはメール(S.Paulo@astelbrasil.com.br)受け付けのみ。