財政出動=危機第2波に備える=ブラジルは欧米よりも多額投入
ニッケイ新聞 2009年9月10日付け
中央銀行のメイレーレス総裁は七日、ブラジル政府が不況対策としてGDP(国内総生産)の五・六%を投じる財政出動を行ったので、二〇〇九年度GDPのマイナス成長はありえないと表明したことを八日付けエスタード紙が報じた。
政府は十一日、最新のGDP状況を発表するが、金融危機を迎えた生産部門を励ますために行なった財政出動は、GDP比では日欧米の四%を上回る巨額のものであったという。
今回の金融危機は根本的にまだ解決されていないし克服もしていないが、国際市場は前向きに動き始めたと国連は見ている。一連の数兆ドルに上る財政出動があったが、これでも経済の空転回避は困難と見ている。
経済は底打ちしたとはいえ、不透明感が拭われていない。国際経済は、まだ数年は金融危機の後遺症に悩まされそうで、国連は、二〇一〇年度の世界の経済成長率を一・六%と予想。これは、IMF(国際通貨基金)の予想成長率の僅か半分という厳しい予想だ。
一方、ブラジルは二〇〇九年、日欧米のGDP比三・七%や新興国平均のGDP比四・七%を上回る財政出動を実行。だから、二〇〇九年度の世界のGDP成長率はマイナス二・五%、ブラジルも〇・八%のマイナス成長に留まるとの予想に中銀総裁は反発したのだ。
G20財務相・中銀総裁会議は先週、不況対策はまだ中止してはならないと決定。危機第二波の到来を危惧するブラジルも、世界の不透明感払拭まで継続の意向という。ブラジルの産業は不況脱出というものの、まだ未熟な状態なので、外の風に当てない方針だと中銀はいっている。
特にブラジルにとって不況対策は、一般庶民の貧困化と消費市場の弱体化を防ぐため必要とされる。だから二〇一〇年度だけは、財政収支が赤字になる可能性がある。