ニッケイ新聞 2009年9月12日付け
このほど落成した沖縄移民資料館。民間からの寄付集めに奔走した西原篤一・沖縄ブラジル協会会長は現在、県内四十一市町村に対してそれぞれの町や伝統文化を紹介するDVDの提供を呼びかけているという。「一度も沖縄へ行ったことのない人もいるかもしれない。祖父母や故郷のことをDVDを通じて知ってもらえたら」と西原さん。資料館としてだけでなく、沖縄文化紹介の場になってほしいものだ。まずは今後の資料収集に期待したいところ。
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ジアデマの沖縄文化センターで除幕した金武町からの記念石碑。碑に刻まれた句「いざ行かん我らの家は五大州」は、同町出身で初の沖縄海外移民を企画した當山久三が詠んだもので、同町は「沖縄移民発祥の地」と呼ばれている。碑の下部には日ポ両語で由来が記載。寄贈から一年経って迎えたお披露目の日は、ブラジル金武町会の関係者も多数訪れた。同会前会長の安富祖元さん(二世)は、「ポルトガル語でも書いてあるので、二、三世、ブラジルの人にも分かってもらえる」と笑顔。
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一カ月の公演を終え、十日に帰国した歌手井上祐見さん。最後のステージは七日のラーモス移住地だった。五、六両日にあった同移住地の「さくら祭り」のステージにも立ったが、祭りで忙しくゆっくり聴けなかった地元関係者のための〃追加公演〃。会場となった文協会館を祐見さん自身が掃除する場面も。十一年目の公演も大成功、すでに各地から「来年が待ち遠しい」との声も。