ニッケイ新聞 2009年9月15日付け
金融危機の発生以来一年後、ようやく産業界で最新式工作機械購入のため設備更新の動きが見え始めたと十四日付けエスタード紙が報じた。
七月まで意気消沈としていた産業界だが、機械設置工業会(Abimaq)が、ここ二カ月の同会サイトへの機械購入のための融資打診は三万五千件あったと発表。昨年の同種の打診は、年間で三万七千件だった。
しかし、二〇〇九年のGDP(国内総生産)の上向き予想は僅かで、機械設備発注が昨年比で大きく落ち込むことは避けられない。同業界では、二〇〇九年の投資は七%から九%後退するが、二〇一〇年は最高一二・五%の回復と見ている。
景気回復の兆候が顕著なのは自動車組み立てや家電製品用の大型旋盤機、大型圧延機と原油採掘試掘機器などの重機類と、浄水用機器、繊維機器など。
どこも旧型機を最新型に更新し、経済の興隆に備える考えのようだ。BNDES(社会開発銀行)が、景気回復に力を入れていることも追風だ。設備投資の動きが見えたことで、二〇一〇年上半期には景気の転換機を迎えられそうだ。
工場の拡張は、来年の課題になる。財務省が十一日、発表した来年度GDP予想は、工業ばかりではなく死に体状態の業界も含めた経済全体の投資予測といえる。
FGV(ジェットゥリオ・バルガス財団)の設備稼働率は八一・五%を基準とし、それ以上なら発展。それ以下なら停滞と判断するが、七月から八月は、七九・八%から一・五%上昇し、八一・三%となった。
今年十二月までに設備投資と機器更新が効を奏せば、八二%達成も期待される。LCAコンサルタントは第3四半期、前期比で設備投資の一〇%増を見込んでいる。
しかし、設備投資は非常に臆病で、まず安定した経済活動を確かめてからでないと経営者の投資は動かない。発注量は昨年九月から今年四月に、四〇%も激減した。注文が入り始めたのは五月だ。その後は自動車と生活家電のお陰で、裾野にも余禄が回ってきた。