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東京農大=実習生4人が帰国報告=充実した1カ月体験=「性格明るくなった」

ニッケイ新聞 2009年9月16日付け

 東京農業大学国際バイオビジネス学科〇九年度南米実習生の四人が、約一カ月の農業実習を終え、三日に帰国した。帰国日当日、サンパウロ市のブラジル東京農大会(大島正敬会長)会館で報告慰労会が行なわれ、大島会長、沖眞一副会長、下條昭弘財務理事の前で報告した。
 第十一期実習生は、同学科二年生の林大地、渡部広基、澤田泰三、秋葉圭さんの四人。それぞれブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの実習先農家にホームステイしながら、収穫作業や大規模農園の視察などを経験した。
 ミナス州ポウゾ・アレグレ郡の村岡農場、谷脇農場で実習した澤田さんは、「暗かった性格がものすごく明るくなった」と自分でも驚いたように一カ月弱の収穫を語る。
 地元文協の祭りでヤキソバ作りを手伝うなど、日系社会にも触れた。「一日たりとも後悔せず充実してた」と熱っぽく語り、「今度はポルトガル語を習って皆さんに又会いたい」と宣言した。
 ミナス州カンブイ市の大島会長のバラ農園で実習した林さんは、「いろんな人の話を聞けたのが一番の収穫」と充実した表情。「移民の人生って苦労だけかと思ったけれど、その中で自分を鍛えていると思った。しっかり自分を持っていて尊敬する」と言葉を噛みしめるように語った。
 「この機会を活かさないと来れないと思って」と、冒険心で参加したという秋葉さん。パラグアイのイグアス移住地では大規模農業を行う堤農場へ。「先輩たちの生き様を見て、視野が広がった気がする。夢はまだ模索中だけど、この経験を今後に生かしたい」と抱負を述べた。
 来伯時に比べて四人の成長振りを問うと、大島会長は「すぐには変わらないもの。この結果は帰国後に出てくる」と期待を示し、「経験をしっかり後輩に伝えて欲しい」と四人に語りかけた。
 下條さんは、「皆おとなしすぎる。世の中を見るには自分から積極的に行動しないと、誰も教えてくれない。ただ実習しただけじゃだめ」と激励、沖副会長は「継続は力なりのごとく、(実習制度の)火を絶やさないで欲しい」と述べた。
 報告後は、和気藹々と先輩のふるまうシュハスコを囲みながら、最後の交流のひと時を過ごした。