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クリスマスに1400億Rが舞う=昨年とは状況一変=液晶TVの奪い合いになる=解雇の心配がない年末

ニッケイ新聞 2009年9月22日付け

 小売業界では、金融危機を無事乗り越えた後のクリスマス商戦は、十三カ月目給料と豊富なローン資金に支えられた経済効果で、昨年同期比二〇%増の一千四百億レアルの大枚が舞い、楽しいクリスマスと正月を迎えることができると予想していることを二十一日付けエスタード紙が報じた。各商店は年末商戦を見込んで家電製品や電子製品、IT製品二〇%増を発注した。マナウス経済特区は三千人の臨時職工を採用し、特需生産に励む予定だ。クリスマスの目玉商品は、三二インチと三七インチのLCD(液晶)テレビやノートブックと見られている。

 去年の今ごろのマナウス経済特区は、臨時採用どころか七千人を解雇した。同特区にみなぎる活気は、去年とは別世界の様相だ。
 黒雲に覆われた昨年今ごろとは、事情が反転。債務不履行は月毎に下火となり、商店はこの流れに賭けている。消費者ローンは八月、平均で月利七・〇八%。これでも、過去十四年で最低水準。ローン枠は昨年の五百億レアルに対し、今年は六百五十億レアル。
 Ipea(応用経済研究所)の見積りでは、勤労者の十三カ月目給料が六百五億レアル、年金生活者のそれが百五十三億レアル。合計で七百五十八億レアルが、市中に出回るという。このほかに、非正規労働者の十三カ月目給料がある。
 いつ解雇されるか分からないで手持資金を握り締めていた昨年とはわけが違う。消費者に笑顔が帰ってきた。今年のクリスマスは、第2四半期から回復してきた工業生産に、労いのご褒美を上げることになる。
 クリスマス人気商品の液晶テレビとノートブックは、国産といっても部品は輸入品だ。二〇一〇年のW杯サッカーとドル安が注文に拍車をかけている。電子製品メーカーは、LCD部品の発注時期と金融危機が同時だったため、需要の伸びがつかめなかった。
 家電チェーンのカーザス・バイアは、ローンが焦げ付いた顧客百三十万人の債務不履行額六億五千万レアルに対し、最大五〇%を棒引きの上、残額は無利子の六回払いで決済に応じる用意があると通告。見通しが、明るくなったお陰のようだ。