ニッケイ新聞 2009年9月22日付け
菅直人・副総理は16人の閣僚らとの記者会見で「最初の100日間はハネムーン」と新政権への理解を求めたそうだ。真にうまいことを話す政治家だなーとしきりに感服したものだが、どうも、これはアメリカの政界に生きている慣習に学んでの発言と見た方がよさそうである。あの国では、政権が交代すると、100日の間は野党やマスコミも政府批判を控えて見守る▼これに倣ってお手わらやかにーというわけだけれども、明治19年に始まった事務次官会議をいとも簡単に切って捨てる腕はさすがである。「脱官僚」を看板にする鳩山政権なのだから、こんなのは当たり前だし、お役人の会見も取りやめにし、霞ヶ関には政治家を100人超を送り込み指揮を取る。まあ、本来の議会制民主主義を確立して国民のためになる政治をーである▼政権が交代したので政策も変わるのは致し方がない。だが、戦後の政治史をふりかえってみも、こんな大きな変化はないのではないか。官僚らも、建設決定のダム建設が中止になるとか余りの政策変更にテンヤワンヤノの大騒ぎで閉口しているらしい。まあ、それでも高速道路の無料化については、暫くは有料で行くようだ▼と,賑やかな新政権の発足ながら、国にとっての基本である外交と安保には不安がいっぱいある。憲法についても連立の社民党は護憲だし、自衛隊は違憲の立場である。沖縄の米軍基地もあるし、インド洋の給油についても曖昧であり、アメリカとの関係がどうなるかーも国民の目できちんと見守り注視を続けたい。 (遯)