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ニューヨーク=イラン、ルーラと接触=伯イ関係が世界の注目に

ニッケイ新聞 2009年9月24日付け

 ルーラ大統領は23日、ニューヨークのホテルでイランのアハマディネジャド大統領の訪問を受けると23日付けエスタード紙が報じた。ホテル周辺には、抗議デモのためのユダヤ人団体とイラン野党がたむろしている。
 ルーラ大統領側近によれば、会見はイラン側の要請という。アモリン外相も会談の内容については何も知らず、イラン大統領が最近、イスラエル非難やホロコースト否定論などを発表したことに触れるか否かも不明。
 イランの核開発を巡り、イスラエルと同国は一触即発の状態にあり、イラン大統領の発言が国際情勢緊迫化の焦点であることは間違いない。核開発は両国の共通の関心事だ。
 一方、ブラジル政府は方針としてホロコースト否定には同調しない。在伯イスラエル人協会(Conib)は22日、イラン大統領が同否定論の宣伝を中止するよう政府からの提言を要請した。
 アモリン外相によれば、イランとブラジルの接触には世界が非常に神経を尖らせている。しかし、同接触によってブラジルとイスラエルの関係悪化や力関係の不均衡発生もないと政府は見ている。
 ルーラ大統領の7年に及ぶ政権中、日程の都合がつかないため、イスラエル訪問は一度も実現していない。大統領の中東訪問がアラブ諸国に偏って妬まれたと見ている。
 アハマディネジャド大統領は2009年初頭、ブラジルを訪問する予定だったが、イラン側が中止。できるだけ早い機会に訪伯の意向を伝えてきている。23日の会談でブラジルとイランの間で核が討議されるかは不明となっている。