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伯イ蜜月時代を演出=国連で対イラン友好を宣言

ニッケイ新聞 2009年9月25日付け

 ルーラ大統領は23日、イランのアハマディネジャド氏と個人的に会見し、同氏を選挙による正式大統領と認め、ブラジルへ公式に招くことを会見後の記者会見で発表したと24日付けエスタード紙が報じた。
 また返礼としてルーラ大統領は2010年末、イランを公式訪問し、両国が友好関係を結ぶことを記者会見で明らかにした。国連総会ではイラン大統領の演説に際し、米国やカナダ代表がボイコット示威のため退場したのに対し、ブラジルはイラン支持表明で、もう一つの火中の栗を拾うことになりそうだ。
 アハマディネジャド支持で批判されることの一つは、同大統領がホロコーストを否定したからだが、それとイラン支持は別次元の問題であると、ルーラ大統領は釈明した。
 核保有国が、イランの核保有を非難している。イランがブラジルのように核の平和利用を宣言していることを理解すると、ルーラ大統領が表明。ブラジルは、核問題の仲裁者として米政府から期待されている。
 イランの大統領選挙で告発された疑惑についてルーラ大統領は「敗者は異議を申し立てるもの。敗者は決して敗北を認めない。負けは負け。異議申し立ては、負け犬の遠吠え」と答えた。他国の選挙に口出しするのは、おぞましいという。
 「選挙の結果は、良くも悪くも事実である。結果以外は、過去の話でやがて霧消する」というのが大統領の人生感だ。
 AさんがBさんを嫌うから、私もBさんを嫌わなければならない義務はない。ブラジルはイランと親交をむすんでも、何ら不都合はない。
 イランは豊富な石油資源とホルムズ海峡を抱える地政学的に最重要な国で、将来ブラジルの産物を買ってくれる大切な顧客であると大統領は述べた。