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不動産景気の足音が=金利の低減を待つのみに

ニッケイ新聞 2009年9月29日付け

 金融危機で今年当初、ペンペン草が生えていた不動産業界で、最近の売り出し物件と特価キャンペーンの急増は不動産景気の前触れとTecnisa建設会社が27日に示唆したことを28日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 不動産購入者は、ローン金利の引き下げを待って本格出動に至るようだ。それでも不動産業界は30年前に比べるなら、その活力が雲泥の差といわれている。
 本格的な不動産ブームには、まだ至っていない。しかし、その芽は金利の引き下げ傾向を追い風に、すでに芽生えている。大サンパウロ市圏の不動産市場は、全国の40%を占める。今年下半期の売り物は上半期の倍で、年間では2万5千件に上る予想だ。
 それでも2007年の3万8900件、2008年の3万4100件から見ると、まだ下火だ。かつてあった需要は、どこへ行ってしまったのか。
 原因は、建設コストの高騰にあるようだ。都市居住空間の建設費は07年から08年に、平方メートル当たり2434ドルから3305ドルへ高騰した。
 不動産業界は、金融危機の影響が少ない分野とされた。1月に売り物は少なく販売も激減したものの、クレジットは平常化していた。一方、中古不動産の販売は、30%も急増した。
 政府が不動産を含めた「我が家は我が人生」などの不況対策を打ち出し、連邦貯蓄銀行(カイシャ)がフェイロン(不動産即売会)を開催したため、不動産業界に活気が蘇ったようだ。
 不動産業界の将来をいうなら、建設現場などの雇用対策が堅実な発展の基礎を築くと、業界は見ている。今年2~7月の新規雇用13万8千人の大部分は、建設現場で採用された。
 解雇が影をひそめると、住宅需要が回復し建設ブームが始まる。不動産業界の将来に賭けるとして、今年7カ月間に外資が10億9800万ドル投入された。この外資の投下は、20億ドルに上ると見られている。

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