ニッケイ新聞 2009年9月30日付け
リオ市コパカバーナで28日夜と29日朝、強盗事件が連続発生した。
29日付けG1サイトやフォーリャ・オンラインによると、28日の事件は、22時半頃、手榴弾などで武装した5人組がシャヴィエール街のレストランを襲ったもの。客や従業員の財布や携帯電話、現金などを奪い、逃走したという。
目撃証言では、5人組は1台のバイクと2台の車で逃げたが、レストランの外には見張り役の車も数台あったようだ。
一方、29日朝の事件は7時45分頃発生。リオ州ガス会社(CEG)の制服を来た男が、海岸に程近いフランシスコ・オタヴィアノ街のアパートの門番を制圧し、仲間2人を招き入れた。
3人組は、出かけるため門番詰め所脇を通ろうとした住民ら、少なくとも18人を次々に拘束。101号のアパートに押込み、銃の台尻で殴ったり、指を切り落とすと脅した後、アパート5軒を物色して逃走した。
事件発覚は人質の1人が窓から落したメモといい、9時頃到着した警察は、直ちにアパートを包囲。周辺への交通規制も敷いて犯人の退路を断った上で建物内部の捜索を始めたが、12時過ぎのサイト情報では、11時40分頃、包囲を解除したという。
今回の事件2件の犯人逮捕の報道はないが、G1サイトによれば、コパカバーナのバラタ・リベイロ街のアパートでは21日に、根こそぎ強盗で7軒に被害。
また、25日に、郵便局車両を襲った男が、女性を人質にし、手榴弾で脅した後、警官に射殺されるという事件が発生したチジュッカでは、16日に、3人組による根こそぎ強盗発生。
レブロンでは15日、郵便局員の制服を来た男1人を含む3人組がコンドミニアムを襲い、3軒が被害に遭っている。
G1サイト記載の公共治安研究所報告によれば、09年上半期のリオ州では、民間住宅などを狙った押込み強盗が、前年同期より23%増加。
金融危機反映と見られる押込み強盗や窃盗増加はサンパウロ州などでも見られるが、国際サッカー連盟会長らがワールドカップの会場視察のためリオ訪問直前の連続事件。16年の五輪招致に候補地がしのぎを削る最中、国際五輪委員会での投票権もある会長らの心証を悪くしかねない犯罪事件の増加が、リオ市の招致努力に水をさす可能性もありそうだ。