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会計監査院が工事差止め=PAC含む41の事業対象=政府は国会に注意呼びかけ

ニッケイ新聞 2009年10月1日付け

 会計監査院(TCU)が9月29日に工事差止めなどを要する事業リストを発表し、政府側は国会に無条件承認をしないよう呼びかけたと同30日付け伯字紙が報じた。
 TCU監査で大きな問題ありと判断された公共工事リストは毎年9月発表だが、今回は、経済活性化計画(PAC)13を含む41の事業が差止め対象となった。
 今年監査を受けた219事業中、工事差止めは19%の41件。資金追加停止も10%の22件あり、何も問題なしは、16%の35件のみ。
 政府にとり頭が痛いのは、約3千件のPACの内、監査を受けた99件中13件が差止め対象となったこと。09年の監査対象外で差し止められている2件と合せ、15件の工事中断となる。
 これら13件には、ペルナンブコ州の製油所建設42億6千万レアル、パラナ州の製油所近代化25億6千万レアル他、空港工事2件、道路工事5件が含まれ、総工費は09年支出分だけで73億8千万レアルに上る。
 TCUが工事差止めを求める事業は、会計監査上、資金追加停止では済まない重要な問題ありとされたもので、市場価格を大きく上回る請求や、水増し、当初の計画にはない工事への支払い、見積もりの不備、入札の制限などが主な問題点。サンパウロ州のグアルーリョス空港拡張工事など、複数年問題指摘の事業もある。
 今回の監査では、環境許可を与えるはずの国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の審査不足指摘の例もあるが、金額面での指摘トップはペトロブラス。件数は運輸省がトップとなった。
 一方、TCU提出の監査結果に即座に反応したのは、〃PACの母〃ことジウマ官房長官。
 大統領選を前にPACの進行停止はなんとしても避けたい長官は、例年はTCUリストをほぼ無条件で承認する国会に対し、同日中に「工事を中断すれば工事再開時の経費は更に大きくなることを考え、TCUリスト承認は慎重に」と訴えた。
 政党色や工事中断への懸念はなく、不正防止第一の監査を自負するTCUに対し、政府側がどこまで見直しを迫れるかで、常に遅れ気味のPAC工事進捗度も変わることになりそうだ。