ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
米キューバ=雪解け時代が始まる=制裁解除は共産制解体後
ニッケイ新聞 2009年10月1日付け
米国務省のビーサ・ウイリアムス次官ら3人は9月29日、キューバにダゴベルト・ロドリゲス外務次官を訪れ、郵政事業の再開で直接対話を始めたと同30日付けエスタード紙が報じた。
両国の郵政事業は1963年以来、停止していた。9月17日、再開となったので同事業確立のため、インフラ整備で一行が現地を訪れた。
ウイリアムス次官はしばらくキューバに滞在し、事業の基礎造りに挺身することになった。同次官はキューバ側要人と接触し、都市部と農村部で郵政事業の概容を作成することになる。
2009年1月のオバマ政権誕生以来、キューバ共産政権に課された制約で、郵政事業が両国交流の糸口になると同大統領は期待している。
トリニダード・トバゴでの米州首脳会議1週間前の4月、オバマ大統領は在米キューバ人の本国向け送金と親族訪問を許可した。引き続き郵政事業の再開をも始めた。
しかし、クリントン国務長官は、47年間続いた経済制裁を直ちに解除する意向のないことも表明した。米政府は、解除の前に、一党独裁制から民主制へ切り替えることを求める考えのようだ。
23日開催された国連総会でキューバのブルーノ・ロドリゲス外相は、米国との国交復興へ努力すると声明を発表。同外相によればラウル・カストロ首相は、オバマ大統領との対話路線をキューバ流国家主権の範囲で維持を希望するという。
これまでに米キューバ関係は、在米キューバ人の旅行と送金の完全解除。1996年に制定された第三国経由取引をキューバに義務づける、ヘルメス・バートン法の6カ月間中止を米政府が発令した。また米政府は、キューバの共産政治を批判するサイトの発信を停止した。