ニッケイ新聞 2009年10月1日付け
国防省は9月29日、ホンジュラス臨時政権にブラジル人外交官が一時拘束されたことで、ブラジル人奪還のため緊急特殊救援部隊の編成計画命令を下したことを明らかにしたと同30日付けフォーリャ紙が報じた。
同計画は国外在留ブラジル人の独自防衛が不可と見なされる場合、担当部隊は秘密裏に特殊部隊を編成する責任がある。陸軍はホンジュラス情勢に対処するため、各種ケースを設定した。
ホンジュラス国境の隣国領に、現地まで3時間で到着できる距離で空軍が救援部隊を輸送し待機する。これは外務省の了解を経ずに、陸軍が独自判断で行動する。計画については公表しない。
一方、下議5人がテメル下院議長の要請を受け空軍機でホンジュラス向け出発した。一行はエル・サルバドールに着陸し様子を見ながら待機する。臨時政権は、ブラジル政府の動きに感情を害しているようだ。
30日付けフォーリャサイトによれば、同国内では、28日のラジオ局とテレビ局封鎖に続き、30日にはクーデター以来セラヤ支援者が詰め掛けていた農地改革研究所の建物を特殊部隊が制圧し、55人逮捕など、緊迫した動きが継続。
セラヤ側との対話を求める軍や同氏復権も含めた解決案模索中の企業家らと、臨時政権との対話不足も見え隠れする。