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簡易住宅計画=政府がてこ入れへ=粗製乱造と貸し倒れ懸念

ニッケイ新聞 2009年10月3日付け

 「我が家は我が人生」(MCMV)キャンペーンの簡易住宅建設計画に力を入れる政府は、下請け企業へ大部分を請け負わせたうえ、ノルマを上げたことを2日付けフォーリャ紙が報じた。
 そのため連邦貯蓄銀行(カイシャ)は、従来枠を超えた、建築技師や設計技師973人の動員と大口予算充当により、目標完遂に努める考えだ。
 世帯所得10最低賃金以下の家庭へ100万戸を提供するMCMVキャンペーンは、生活扶助制度とPAC(経済活性化計画)に次ぐ政府の目玉政策となっている。
 住宅分譲には、FGTS(勤務年限保証金)資金も投じ、340億レアルの補助金を購入者に与える計画だ。カイシャは下請けを通じ、購入者の身許調査のため3682人を動員した。
 工事の進行は民間企業の責任で、各社が工程管理を行なっている。民間企業の工程管理を、さらに管理するカイシャの監査機関もある。この監査機関が過労で悲鳴を挙げている。予算管理が杜撰にならないかと心配だ。
 大統領選が視野にある政府は、カイシャに圧力を掛ける。現場の責任者は、過労から就労拒否する者さえ出ている。工事を下請けに委託し、人海戦術で突貫するのは、政府の常識となっている。
 その下請けを指揮するのが、難しいようだ。現場の悲鳴に耳を貸すことなくカイシャ上層部は、事業計画のさらなる拡大を考えている。
 建築下請け協会のシモン会長は、庶民階級の爆発的増大と住宅需要の解決に、下請け企業の起用が不可欠だと見ている。住宅政策は、大きな歯車が悲喜劇を引きずりまわしながら回転している。

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