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第3回アマゾニア祭り=宮沢和史さんも熱唱=「日本文化が浸透」=3日間で1万5千人

ニッケイ新聞 2009年10月3日付け

 パラー州ベレン市のコンベンションセンター「HANGAR」で9月16日から18日まで、第3回目となる「アマゾニア祭り」が開催された。アマゾン移住80周年の今年は日本、パラグアイからも参加して盛大に行なわれ、3日間で1万5千人が訪れるにぎわいを見せた。会場では汎アマゾニア日伯協会やパラー日系商工会議所など地元日系団体、パラー州政府やHONDAなどの日系企業はじめ、各種商品を扱うバザリスタなど多くのブースが並んだ。
 最初の日本人入植地、トメアスー移住地などアマゾン日系社会の歴史を伝える写真コーナーも設けられ、足を止め写真に見入る来場者の姿が見られた。
 会場奥に設置された舞台では、ノーボ・ムンド校のYOSAKOIソーラン、剣道、空手や合気道のデモンストレーション、花柳流金龍会、花柳流龍駒会の舞踊など様々な演目が披露された。
 アマゾン移住80周年慶祝のため訪れたパラグアイ・イグアス移住地の太鼓グループ「鼓太郎」が迫力ある太鼓で会場を盛り上げ、日本の劇団「曼珠沙華(まんじゅしゃか)」は艶やかな衣装とスピード感あふれる踊りで舞台を彩った。
 最終日の18日には、ベレンでの「日本人アマゾン移住80周年式典」が同センターで開催され、式典後は出席者なども祭りを見学した。
 歌手の宮沢和史さんと大城クラウディアさんも出演し、会場を埋めた観客から割れんばかりの拍手が送られていた。
 会場ではアマゾニア日伯婦人会が寿司やうどんなどの日本食を販売。会長の池内佳代子さん(68)によれば、初日は用意した品が売り切れるほどだった。「ブラジル人も食べるようになりましたね」と話し、接客に忙しそうな様子だった。
 祭りの最後を飾ったのは盆踊り。会場中央の櫓の周りを来場者が囲み、楽しげな踊りの輪が二重三重に広がった。
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 同イベントがHANGARで開催されるようになって、今年で3回目。前身の「日本文化週間」から数えれば通算21年目になる。
 汎アマゾニア日伯協会事務局長の堤剛太さん(61)によれば、最初は州文化局長の要望を受けて始まり、同協会会館で長年続けられてきた。
 3年前に、それまでの文化普及に娯楽性を加え、「アマゾニア祭り」として初開催。昨年は約8千人が来場した。
 「日本文化が浸透すれば、我々も住みやすくなりますしね」と堤さん。資金集めなどの問題から「同じ場所で開催するか、来年はもう一度考えないと」としながらも、「長年の固定客から輪が広がり、いろいろな人が来てくれるようになった。すっかり溶け込んだと思います」と話していた。