ニッケイ新聞 2009年10月6日付け
IMF(国際通貨基金)が新たな金融危機防止のため、G20サミット提案のグローバル中央銀行化案を導入することを決め、マンテガ財務相も4日に全面的支持を表明と5日付けエスタード紙が報じた。しかし、ブラジルが要求した投票権を伴う出資割り当ての7%への引き上げは拒絶され、5%に留まった。今回の恐慌にルーラ大統領が「マロリニャ(大波)」と命名したことでベルギーのヘルマン・ロンプイ首相は、新たな国際的新語として辞典に加えることを発表した。
IMFは65年間続いた現体制に終止符を打ち、各国中央銀行の統括機関(国際中央銀行)としての機能を持つ、金融市場のスーパーヴァイザー(見張り役)へ生まれ変わることになった。
IMF中央銀行の役目は、各国の外貨準備高とドル通貨偏在管理の二つ。具体的な話合いは、ブラジルを始めとする世界の財務相24人からなる通貨審議会で、4日から始められている。
新たなシステムは共同計算方式の外貨準備プールを設置し、恐慌に備えた安全基金とする。こういうことは、国際的な資金協力機構がなければできないとカーンIMF専務理事が述べた。
プールとはメキシコやポーランド、コロンビアなどの危機の収拾に成功した金融メカニズムで、それを大規模にしたものだ。メキシコが、同システムを最初に試みた場所であった。危機に襲われた国の財政政策と通貨政策のてこ入れにより、パニックを収拾する。
マンテガ財務相によれば、IMF中央銀行の財政出動とは、スワップ取引(債権債務の交換取引)のようなもの。ブラジルの中央銀行やFRB(連邦準備制度理事会)などが集まって国家間の交換取引を行なう。
加盟186カ国は緊急時、フリーパスでいつでも事前交渉を経ないで、IMFへ飛び込めることになる。IMFはこれから、財政収支が不均衡な国への財政支援の方法を検討する。
中国の2兆ドル、ブラジルの2200億ドルの外貨準備を有効に循環させること。レアル通貨に対する為替投機は、インフレをもたらし、ブラジル経済に悪影響を及ぼすので注意すること。
IMF執行委員会はブラジルが要求した7%の出資割り当てを拒否したが、IMF改革案は全面的に容認した。発言は同割り当てに関係なく、受け入れる。先進国の同割り当ては保持されるものの、発言比重は下げられた。