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16年五輪のリオ開催=在日コミュニティも熱狂=「ブラジルの魅力知って」

ニッケイ新聞 2009年10月6日付け

 【既報関連】2016年の夏季オリンピック開催地がリオに決定し、現地で盛大に祝われた。南米で初めての開催となるリオ五輪。地球の反対側で暮らす在日ブラジル人たちも、母国のビッグニュースに喜びの声を上げた。各地の様子を紹介する。

浜松=故郷で五輪「最高!」

 【静岡新聞】リオデジャネイロでの五輪開催というニュースが飛び込んだ3日未明、県内で暮らす日系ブラジル人も驚きと喜びに沸いた。約1万7000人が暮らす浜松市でも、ブラジル人住民たちが「ブラジルが発展するチャンス」「世界に注目される」と、古里への熱い思いを口にした。
 「奇跡としか思えないよ。最高!」-。浜松市中区田町のイベントホールでは、ブラジル人客らが母国の旗を手に初の五輪開催を祝った。サンパウロ市出身のフレイタス・ロージネイさん(25)=湖西市=は「観光・経済面で強い国になるためにも、オリンピックは必要」と期待する。「2014年のサッカーワールドカップを観戦にいくつもりだった」という山下ロビンソンさん(19)=浜松市中区=も「五輪が続けば世界中の人がブラジルに来る。日本人にもブラジルの魅力を知ってほしい」と興奮気味だ。
 県西部ではフットサルやサッカーのほか、空手や柔術などの格闘技を楽しむブラジル人も多い。女子フットサルのクラブチームに所属する浜松市のファビアナ・イケダさん(28)は「フットサルは種目に入っていなくて残念だけど、どの試合も全部楽しみ」とわくわくした様子で話した。

神戸=「世界で一番楽しい五輪に」

 【神戸新聞】神戸市中央区のブラジル料理店「コパ・カバーナ」では2日深夜から、客ら約20人が国際オリンピック委員会(IOC)総会のテレビ中継を見守った。
 リオ出身の店長田中バヌーザさん(38)がサンバを踊り、「オレオレオレー、ブラジール!」とリオの当選を祈った。3日午前1時50分すぎ、リオの名が読み上げられると、「ムイットボーン」(大変よかった)とポルトガル語で歓声が上がり、緑と黄色のブラジル国旗を振ったり、抱き合ったりして喜びを爆発させた。
 神戸市とリオは今年、姉妹都市提携40周年。仕事で初めて神戸を訪れているブラジル人の会社員パウロ・レイテさん(27)は「姉妹都市の神戸で五輪開催決定を聞けるなんて。世界で一番幸せで楽しい五輪になるよ」。田中さんは「神戸のみなさんと五輪を一生懸命応援したい。サンバだけじゃないリオの魅力を知ってもらうきっかけにしたい」と声を弾ませた。(小林伸哉)