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ホンジュラス=セラヤ復帰も選択肢に=OASが対話圧力=臨時政権、交渉へ道開く=伯大使館の包囲を解く

ニッケイ新聞 2009年10月7日付け

 OAS(米州機構)代表団訪問の直前、ホンジュラス臨時政権は5日、非常事態宣言の解除を発令し、追放したセラヤ大統領が寄留するブラジル大使館の包囲を解く意向を表明と6日付けエスタード紙が報じた。臨時政権は外圧に譲歩、セラヤ大統領にOASを仲介とする話し合いの機会を与えるものと理解されている。IMF(国際通貨基金)や世銀(IBRD)は改めて、セラヤ政権を正式のホンジュラス政府と見なし、政情正常化後にのみ経済支援を行なうと通告した。

 ホンジュラス紛争は、OAS代表団が7日到着することで大団円を迎える一週間になりそうだ。代表団派遣に先立つ2日、OASは対話準備のためのメンバーも派遣して調整に入っていた。
 インスウサ事務局長を団長とし、伯大使を含む11カ国の大使や国会議員と国連事務総長からなる代表団到着は、紛争解決へ国際的圧力をかけるための切り札だ。OASと米政府は15日以内に何らかの合意に至ると見ている。
 セラヤ大統領は伯大使館に釘付けされたままだが、同国の次期大統領候補の一人が、セラヤが大統領職への復帰を断念したと発言。これだけで、11月の選挙での同候補の得票数は10%減るだろうという。
 コスタリカのアリアス大統領仲裁案であるセラヤの即時復帰と検分が、OASの今回訪問の目的。しかし、双方の過失に対する特赦が議会で審議となっている。それにセラヤの生命保障が、明白でないのが難点だ。
 ミチェレティ臨時大統領は5日、11月29日の選挙後ならセラヤ大統領が政権へ復帰することに同意と、テレビの記者会見で述べた。しかし、それまでは対話の機会を与えるだけで、現状に変化はないとしている。
 非常事態令を解いても、セラヤ系テレビやラジオの報道管制は当面現状維持。放送用機器は、裁判所が返還許可を出すまで没収という。セラヤ大統領と支援者は犯罪人扱いで、行動制限を緩める考えはないと述べた。
 伯大使館の中は、最悪の衛生状態で、1人がマラリアを発病、20人が鶏肉で下痢、飲料水も病原菌で汚染している。治療のために大使館を一歩出ると、治安部隊が捕らえて、刑務所へ直行だ。