移民受け入れ減ったブラジル=外国人定住者は0・5%=国内での移動も1割程度
ニッケイ新聞 2009年10月7日付け
人口の8割が欧州系の遺伝子を持ち、労働力確保のため、大量の奴隷や移民受け入れも行っていたブラジルは、今や移民の制限または禁止への賛同国と5日付けフォーリャ紙が報じた。
2007年の調査に基づいた国連開発計画(Pnud)報告によると、移民受け入れについて聞かれた47カ国中、移民の制限または禁止に賛同する国は約半数。
〃出稼ぎ〃という言葉の定着度や国外からの送金額から考えると意外だが、外国人労働者への不信感が特出した状態のブラジルは、移民の送出国でも受入国でもないという。
Pnudによると、ブラジル内の外国人定住者は、世界平均の3%以下で、0・5%。移民受け入れも1960年から減り始め、当時の1・6%が今は0・4%とさえいう。
一方、Pnudは、世界的な傾向として、移民は受入国住民の雇用を削減するどころか、むしろ雇用を促進、新しい商談への関心や投資の向上を生むと結論付けている。
全世界での移民は2億1400万人(内5千万は不法滞在)で、半数は人間開発指数(HDI)0・9以上の38の超高開発国や地域に移住。
国際的な流れは、超高開発国間の移住10%、新興国を含む途上国から超高開発国へが37%。一方、超高開発国から途上国への移住は3%、途上国間の移住が50%となっている。
一方、もう一つの人口流動である国内移住者は世界中で7億4千万人。6日付けエスタード紙によれば、ブラジルでは人口の1割が国内移住者だ。
1990~2005年の国内移住者は1700万人で、受け入れ側からは経済の活性化と税収増加、文化の多様化といった利点報告が出ている。
Pnudでは、ブラジルの国内移住の傾向として、60年代に故郷を離れた人は移住先に定住したが、近年はより良い生活条件を求めて行き来する移住者が増えたという。
一般的には利点が多い人口移住だが、例外は、パラー州でのダム工事に伴う2万5千~3万人の住民への移住請求例など。経済活動など、新たな住民の受け入れ態勢が出来ていない地域への移住は、マイナス面の大きい移住としてPnud報告でも取り上げられた。