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PTサンパウロ州支部=一将功を成すため=シロ移籍がPTサンパウロ州に波紋

ニッケイ新聞 2009年10月7日付け

 シロ・ゴーメス下議(PSB=社会党)が選挙権をサンパウロ州へ移籍したことでパロッシ下議(PT=労働者党)を中心とするグループが5日、マルタ元観光相の呼びかけで会合を持ったと6日付けエスタード紙が報じた。
 PTサンパウロ州支部が、ゴーメス下議の軍門に下ることを潔しとしない元観光相は、パロッシ前財務相をサンパウロ州知事へ推す考えのようだ。それが叶わないなら、元観光相自身がという腹案らしい。
 ゴーメス下議はサンパウロ州移籍に際し、サンパウロ州知事選立候補を否定しているが、水心あれば魚心だ。元観光相には、セアラー州から出てきた鳶が油揚げをさらうのを看過できないようだ。
 ルーラ大統領は、ロウセフ票を割らないためにゴーメス下議にサンパウロ州知事を献上し、大統領選への立候補を断念させる考えであった。だからゴーメス下議は、PT支援おり込み済みのサンパウロ州移籍だ。
 元観光相は「PSBは過去にPTの花道を飾ったことがない。大統領だって間違えることはある」といって笑いものにされ、PT内に身の置き場がないらしい。
 パロッシ下議は4番打者が空振りした時のために、5番打者として控えている。2010年以降の政権継続に掛けているPTにとり、パロッシは切り札といえる。
 PT内には、11月1日にパロッシかマルタをサンパウロ州知事候補に決めて、ゴーメス下議への配慮を退けようとする者もおり、足並みは揃っていない。ベルゾイニPT党首は「無理にPTから知事候補を出すに及ばない。ロウセフ擁立がPTの全てだ」という。