ニッケイ新聞 2009年10月9日付け
多くの読者はお気付きだろうが、3週間前から日系社会面を毎週2~3日、3頁に増やす改革を始めている。本紙前身時代から数えて62年になるが、コロニア頁が3面に増えたのは初めてのこと。もちろん記者の数は増えていないが、できるだけ続けたい▼一部地域で配達が週3回になるという社の方針からくるダメージを補う意味も含め、この機会に、編集部なりに最大限に努力してさらに読者の期待に添えるような新聞に変ろうという試みの一環だ。と同時に、写真も増やし、紙面全体の漢数字とアラビア数字の表記統一も図っている。近いうちにポ語版「ジョルナル・ニッパキ」の無料添付も始める▼しかし、週3回が始まった先週末、いきなりトランスフォーリャ社が聖南地区で配達しなかったり、今週初めには印刷機が壊れたりと、予想外の出来事が立て続けに起きた。転換期ゆえの混乱だとはいえ、本当に多くのお叱りの電話を頂いた▼読者の気持ちを思えば、紙面の記事を統括する編集部と、配達業者は直接の関係はないにしても、全体としては「ニッケイ新聞」という看板で商売している以上、連続した事故の報告を受け、正直言って数時間は脱力感から抜けられないほど自社の〃惨状〃にガッカリした。▼そんな中でも応援の電話や投書をしてくれる読者もいて、本当に励まされる。邦字紙にとって怖い、怖いお目付け役である『ブラジル経済報知』からも、一定の理解を示す言葉ももらった。いろいろな意味で、邦字紙冥利に尽きると最近しみじみ感じる▼とにかく、編集部としては置かれた状況の中で最善を尽くすしかない。さらに読み応えのある新聞を目指したい。 (深)