ニッケイ新聞 2009年10月10日付け
【既報関連】ロウセフ官房長官は8日、経済活性化計画(PAC)の公共工事を中断させた連邦会計院(TCU)の判断基準を見直しする意向を表明と9日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
第2期ルーラ政権の目玉として2007年から導入されたPACは、経済活性化のための緊急計画であったが、工事施工に不審な点があるとしてTCUによって中止させられた。官房室はTCU監査を管理する考えはないが、本来の目的を脱していることを不本意としている。
ロウセフ官房長官は8日、PACの生命である敏速性を無視したTCUの捜査が、政府の政策に脆弱性をもたらすと述べた。TCUの権限を損なわず、本来の工事目的を達成する折衷案を模索するべきであると提言。
PACには、投資家の資金も投入されている。時間の経過とともに要求される配当が、TCUの計算にない。これからW杯サッカーやリオ五輪の工事も始まり、民間企業の協力も必要になる。どの工事も、1分1秒が貴重な国策計画だ。
ルーラ大統領が「PACの母親」と呼ぶ官房長官は、「この二つの国際イベントは、ブラジルの歴史に残る出来事であることを、関係者はよく認識すべきだ」と訴えた。
官房長官には、ルーラ大統領の後継者可否という重荷が双肩にかかっている。同長官は8日、PAC事業報告を行い、TCUが41工事の停止を決定したことを報告。その内13工事は、PACに属するもの。
同長官は「TCUを俎上に上げるつもりはない」というが、腹の中は煮えくり返る思いを抑えたようだ。官房長官にとって、TCUは木を見ているのか、森を見ているのか問いたいところだろうと、ジアリオ・ド・コメルシオ紙が論じた。