ニッケイ新聞 2009年10月21日付け
サンパウロ市選挙裁判所のアロイジオ・S・レゼンデ判事は、サンパウロ市議会55市議の4分の1に当たる13市議の議席はく奪と被選挙権の停止処分の判決を下したと20日付けエスタード紙が報じた。
判決は、19日付け官報に公示された。罷免の理由は、昨年の地方選挙でブラジル不動産協会(AIB)からの違法献金1060万レアルを、市議や政党幹部、委員会が受領したというもの。
有罪判決を受けた被告13人は、3年間被選挙権を失う。同判事は被告人が、AIBからの献金とさらに20%上積みを受領し、金の力を盾に公明選挙の秩序を乱したとしている。
判決は即時執行ではなく、議員らは皆、選挙法12034号により地方選挙裁(TRE)へ執行停止を求めて上訴する予定だ。TREの最終判決が下るまで、被告人は現職に留まれる。
選挙法では、政治献金が認められる団体に非営利団体という一定の規定を設けている。クラコランジアの都市化計画に関心がある関係者が市議会に影響力を及ぼすことを目論んだ可能性があり、選挙裁判所ではAIBは非営利団体に見せかけた看板団体と見ている。
サンパウロ大学政治科学のダンタス教授は、サンパウロ市議は全員灰色疑惑があるという。市議はサンパウロ市民の代弁者であるが、市議に選ばれるために使った金額や見返りの権限の範囲は、市民に知られることがないという。
サンパウロ市議会で議席をはく奪された第1号は10年前の1999年、ヴィセンテ・ヴィスコメ市議。市監督官を唆し恐喝で告発され、刑務所へ収監された。マエリ・ヴェルギニアノ市議も共犯で同罪となり、両人は8年間、被選挙権を失った。
セルソ・ピッタ市長の1998年、市監督官と共犯者600人が強請り(ゆすり)疑惑で取り調べを受けた。その中に16市議が居り、8市議が共犯容疑で起訴された。
20日付けG1サイトによれば、この外に17人の議員が議席はく奪となる可能性がある。