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アチバイア・ひまわり太鼓=初めての合同ライブ=サンパウロ市=小田シニアが蒔いた種=文協大講堂が超満員に=「よくやった」と青山さん

ニッケイ新聞 2009年10月24日付け

 アチバイア川筋清流太鼓(青山明政代表)とひまわり太鼓(島田謙二代表)は、共催して太鼓ライブ「一期一会」を17日夜、文協大講堂で開催した。1200人が入る会場は、入り口付近まで人があふれるほどの人気。斬新な衣装などで〃魅せる〃演出が存分に盛り込まれ、観客からは終始、熱い声援が飛んでいた。海藤三味太鼓や平成鳴子会、レキオス芸能同好会エイサー太鼓も特別出演しライブを盛り上げた。
 両太鼓グループは2003年から派遣されたJICAシニアボランティア・小田幸久さんの指導のもと発足。小田さんは2年間の期間中に約50団体の指導をしたが、合同公演は初の試みだ。当日、舞台の後ろには「一期一会」と大きく書かれた垂れ幕が掲げられた。
 最初に司会の青山明美(あきみ)さんと島田ミルトンさんが「一期一会」について、「今日の出会いに誠意をもって接し、大切にしよう」と説明し、開催にいたる経緯を説明した。
 公演は二つのグループが共演する「Towani」でスタート。締め太鼓をリズムよく叩く女性メンバーは、白いシャツに大きな赤い花を飾り付け、黒いズボンで登場、衣装でも魅せる。ずしりと響く大太鼓も相まって、若手中心の13人が一糸乱れぬ力強い演奏を披露。続いて男女のペアが登場し、並べられた四つの太鼓を2人で叩き合う。横に動いたり、コミカルに大袈裟な動きをしたりと、観客を楽しませる工夫も。
 続いて平成鳴子会が出演し、鳴子を持って迫力あるYOSAKOIソーランを披露した。
 6曲目の「Sereia」からひまわり太鼓は黒い衣装で登場。緞帳が降ろされ、6人の女性が前列に並べられた七つの締め太鼓を叩きながら、頭と体を緩やかに動かして波を表現すると、会場は更に湧いた。
 続いて海藤三味太鼓グループの2人が見事なバチさばきを披露し、音色が会場にこだました。レキオスはお馴染みの赤と黄色の衣装でくるくると回りながら演奏した。
 11曲目の「Kacho Fugetsu」では蝶々の描かれた赤と紫の着物姿の女性2人が横笛の音色をしっとりと聴かせた。続いて、会場がさらに静まり返り、舞台上に視線が集まった。4人の着物姿の女性が五つの太鼓を右に左に、上品なバチさばきに会場から万雷の拍手が送られた。
 出演者全員による最後の「Shikisai」で会場の盛り上がりは最高潮になり、総立ちの拍手で幕を閉じた。
 川筋清流太鼓のマスコ・マリコ・ガブリエラさん(17)は「練習ではリズムを感じるのが難しいけど、間違えずに演奏できてすごく嬉しい」と控えめに話す。また、友人がひまわり太鼓で出演したという柿木ダニエルさん(25、三世)は「遊び心のあるショーで楽しかった」と語り、「日本の太鼓はもっと真面目なのかな。ブラジル人に合った見せ方で良かった」と述べた。
 「今日は朝から夕方まで合同の練習をして、何とか合いました」と話す青山代表。「来て良かった、と思ってくれたら嬉しい」と感想を語り、「おめでとう、よくやった」と演者を労った。島田代表は「ブラジルだからね。パフォーマンスを入れて楽しまないと」と語った。