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日系人対象の職業訓練=広島の専門学校が開講=農業、福祉で新たな道を

ニッケイ新聞 2009年10月27日付け

 【中国新聞】不況で職を失った日系ブラジル人たちを対象にした職業訓練コースが今月、広島市内で始まった。開講したのはIWAD環境福祉専門学校(南区)。厚生労働省の緊急人材育成支援事業の一環で、農業や福祉分野の実習で技能を身に付け再就職を目指す。
 各労働局などによると、日系外国人を対象にした同事業の訓練コースは中国地方で初めて。広島県内のブラジル、ペルー出身の日系二世、三世14人が訓練を受けている。
 自動車関連などの工場で派遣社員として働いていたが、昨年後半以降の減産で職を失った人が多い。20~60歳代と年齢は幅広い。
 コースは半年間で、農業、福祉分野の実習、ビジネスマナー講習などがある。安芸区にある同校の農場で果樹栽培などの作業をしたり、ベッドを備えた実習室で介護の基本を学んだりする。
 コース修了後、訓練生は同校に進路相談をした上で就職先を探す。平田冨美子校長は「修了後も就職は簡単ではないが、専門分野の勉強を続ければ採用の可能性は高まる」と話す。