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ニッケイ新聞 2009年10月28日付け 沖縄県系二世の歌手、比嘉テレーザ美由貴さんが18日午後、リベルダーデの沖縄県人会館で第2回「みんなの唱歌・日本の歌コンサート」を開催した。生まれつき目に障害を抱えながらも音楽活動に力を注いだ。キーボードを弾きながら童謡・唱歌38曲を披露し500人の来場者を魅了した。
「てぃんさぐぬ花」や「チョッチョイ子守唄」の沖縄民謡のほか、「サンタルチア」やサンバ曲「Aquarela do Brasil」「海を渡って100周年」などを伸びやかに歌い、会場には美声が響き渡った。「赤トンボ」では、会場から口ずさむ声も聞こえた。最後はオリジナルのピアノ曲「海の祈り」を披露、美しいメロディーが会場をひきつけた。
歌の合間には比嘉さんが舞台に登場し、母・米子さんや恩師・小野寺七郎さんとの思い出を語ったほか、訪れた沖縄の青さに感動したことなど母県への思いを伝えた。
曲の合間には、玉城流扇寿会斉藤悟流舞道場と沖縄空手古武道神武会が琉球舞踊や空手舞踊を披露し、来場者を楽しませた。
瀬名波栄進さん(63、沖縄市)は、「久しぶりに美しい声を聞かせてもらった。心に沁みた」と聞き入っていた。
コンサート終了後、比嘉さんの周りにはCDを手にサインを求める人で溢れた。前回のコンサートも訪れた知念静子さん(70、二世)は、「『てぃんさぐぬ花』に感動した」と感想を話していた。
「多くの人に集まってもらえて感激です。本当に夢のようです」と比嘉さんは嬉しそうに話し、従姉・天顔初江さん(66、うるま市)は、「(彼女は)小さい頃からがんばっていました。これからも応援してください」と話した。
会場では、当日歌われた曲の30曲が収録されたオリジナルCDも販売された。