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銀行が金利引上げへ=金融業界に異変が始まる

ニッケイ新聞 2009年10月29日付け

 中央銀行は27日、都市銀行が2010年の政策金利は上昇傾向と見越し、10月からスプレッド(銀行間取引)や消費者への貸付金利を引き上げており、消費者ローンにも影響し始めたと報告したことを28日付けエスタード紙が報じた。
 特別小切手やクレジット・カードに至っては法外な金利を取るから、金融業者や銀行に騙されないようルーラ大統領が警告した。10カ月にわたった金利引き下げも、折り返し点を迎えたと金融関係者は見ている。
 大統領が経済成長を支えるため、減税や恩典をとの談話を発表後3日しかたっていない。経済情勢は病み上がりで本調子とはいえない中、ローンは情け容赦なく産業界を痛めつけそうだ。
 中銀の調査によれば、手形割引は現在年40・4%、スプレッドは年26・0%以上。個人ローン金利の平均は9月の年43・6%が10月13日からは46%、企業向け金利も26・3%が26・4%に。この利率はクレジット分野に何か異変が起きているのだと金融関係者が見ている。
 サンタンデル銀行が株を売り出し、81億ドルを獲得した。バネスパの倍だ。これは、大銀行ほどクレジット分野の泳ぎ方を知っていることを意味する。同分野の競争で負けたくなければ、サンタンデル方式を採ることを暗示している。
 公立銀行にも変わったことがある。ブラジル銀行は、終身配当つき債券売り出しで15億ドルを獲得した。この債券を購入した多くの企業が、ビタミン剤を注入されることになりそうだ。
 これらからの大手企業は、低金利資金を国外で調達するであろうことが予想できる。そのため国内におけるクレジット需要は、中小企業へ偏ることになりそうだ。
 BNDES(社会開発銀行)のコウチニョ総裁や伯銀のイヴァン・S・モンテイロ副頭取は、ブラジルのクレジット業界で長期払いと低利ローンの競争が始まり、波に乗れない銀行の再編を示唆していると述べた。
 経済専門家のミング氏は、大統領の未来への展望が実現するためには、インフラを中心に、政府経費の節減と、適切な投資、資金の有効管理、税の軽減化など、政府主導の政策が必要だという。