ニッケイ新聞 2009年10月30日付け
ヴァロール・オンラインによれば、サンパウロ市証券市場(ボベスパ)は28日までの2日間で一時的に株価指数が7・5%も暴落したが、米国経済が3・5%成長との第3四半期報告が公表されたことで29日午後1時過ぎには4%回復した。原因の一つは外資課税のIOF(金融税)2%により、ドルの流入が73%激減したことなどと見られているが、ルーラ大統領は、「金融市場にバブル形成を避けるための外資課税で、バブルの被害者はいつも下層階級であると釈明」した一方、ギド・マンテガ財務相はIPI(工業税)減税を3カ月間延長する方針を発表、市場に好感されている。
ボベスパは今年に入って60・2%も上げ、好調であった。世界中どこを見ても悪いのにボベスパだけ19日まで良かったため、関係者はバブル形成を警戒した。
20から23日まで雲行きがおかしくなり、IOF2%発表後、26日からボベスパへの外資の流入が激減していたが、そこへ暴落となった。
27、28日と続落し、6万162ポイントまで下げた。3月2日に5・1%下げて以来の下げ幅。9月末以来、最低の数字となった。今年最高値は19日の6万7239ポイントで、その時点からだと10・53%下落、この2日間だけで7・5%だった。
これに対し、マンテガ財務相は29日(EFE通信)、白物家電へのIPI減税を3カ月間延長するといち早く発表した。すでに6カ月間実施されているが、今回は「消費電力が低いなど環境によいものほど減税率を上げる」としている。
28日には一時的にドルが上がったが、29日にボベスパが上昇したことにより、レアルが買い戻され、同日午後2時時点でドルは1・734レアルまで下がった。
IOFが発令されるまで、毎日平均9億1900万ドルの外資が入った。それが平均、2億4800万ドルに減った。しかし、輸出でもドルが入るので、全体では大差がないとの話もある。
暴落の原因の一つとしてIOFが挙げられているが、大統領はしばらく様子を見るという。国外要因による暴落だった可能性もあるからのようだ。