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埋葬費が値上がり=生前から死の準備とは?

ニッケイ新聞 2009年11月4日付け

 Fipe(サンパウロ大学経済調査院)は11月2日、経済が均衡を取り戻し平均所得が増加したが、葬儀が最近豪華になり、庶民の懐を圧迫していると発表したことを3日付けフォーリャ紙が報じた。
 葬儀に使われる花は、バラや百合、向日葵、菊と決まっていて注文も集中するので安くない。花の装飾は年々、工夫を凝らした注文が多くなっている。葬儀が本来の葬式から参加者向けの示威行為になっている。
 花代は2009年9月までに、サンパウロ市で8・34%も値上がりした。その間のインフレは、2・9%であった。
 所得が向上すると生活費はやや増加するが、それを超えると豪華になるのが消費者心理らしい。インフレは、先ずサービスから始まる。お墓の維持費は、6・21%の調整を行った。
 公営墓地は別として民営墓地は、管理費の値上げが判然としている。生活習慣の変化により、告別を墓地の霊安室で行うようになり、そのため霊安室を豪華に飾ったり、埋葬順序に色々な演出を凝らして結婚式並みのビジネスだ。
 遺族が社会的な成功者なら、故人は身分不相応な葬儀を執り行なってもらい、インフレに関係なく豪勢な野辺の送りとなる。葬儀のプリマベラ社は、埋葬の様子を撮影する。生前の物語まで神話化してくれる。
 生前に埋葬の式事を打ち合わせ、注文を取る。生前に分割で葬儀費を28レアルから110レアルを払う。自分が納まる棺は、超豪華版からエコノミークラスまで選べる。
 1月から3月は、葬儀費前払いの滞納者や発注が減少するので、事前予約者には葬儀会社も割引を行う。前もって準備せずに、故人が死んでから慌てて葬儀だと奔走すると、業者に足元を見られるようだ。