ニッケイ新聞 2009年11月5日付け
サンパウロ市証券取引所(ボベスパ)は、10月28日のバブルを未然に防いだ。これからは定期的にバブル形成と崩壊が繰り返されるから、投資家は注意するよう投資顧問のマルチン・ウオルフ氏とヌリエ・ルビーニ氏が、注意を喚起と4日付けエスタード紙が報じた。
両氏は金融市場を見てバブルを予測し、被害者とならないようにと注意したが、バブルの避け方指導はしなかった。中央銀行はこれまでのように、インフレだけを目標率内に抑えるだけでは間に合わなくなった。
投資家が被害を被らないように、バブルを前以って破裂するのも中銀の役目。銀行が資金調達を行うとき、クレジットは狭められバブルが形成される。だから中銀は株価や不動産がバブルの脇役にならないように、その動きに注意する必要があると忠告した。
しかし、注意する基準がない。最もバブルが形成され易いのは、超低利を背景にした原油や食糧、メタルなどのコモディティ市場だ。超低利資金で強気の商品を買い占め、暴騰させる。そしてバブル形成と、投資顧問が警告した。
この手のバブルは容易に形成され、破裂するのも難しい。中央銀行が通貨流通量を減らして、産業経済に影響しないように、バブルの勢いを衰えさせるしかないようだ。
問題はバブルを衰えさせるのに、生産部門を損なわず、金利をどの位に引き上げたらよいかだ。これを間違えると中銀は、厳しい批判を覚悟する必要がある。この辺の国際協定を話し合う必要があると、メイレーレス中銀総裁もいう。
今回の金融危機は、金融界以外の産業界にも影響を及ぼしたことが、金融関係者の手落ちであった。銀行に自己資本の確保を要求すべきだ。保険会社は、ローンの焦げ付きを保障すべきだ。
これらのルールが機能しなかったのは、格付け企業のアラームが作動しなかったからだ。腐った債券にAAAの最高級格付けをしていた。銀行の粉飾決算を看過し、営業益を減らしてでも自己資本の要塞を守らせることを怠ったからだ。