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愛媛県交流事業=県から4人が来伯=「ブラジルで日本見えた」

ニッケイ新聞 2009年11月5日付け

 愛媛県海外協会とブラジル愛媛県人会が実施する海外交流研修事業で、9月に同県から研修生が来伯した。18日間の滞在で農業研修や視察、ホームステイなどを体験、帰国を前に藤原利貞会長と本紙を訪れた。
 同交流事業は隔年ごとに県・ブラジル側から4人ずつの研修生を派遣するもの。6回目となる今回は県から藤田香織さん(31)、森田紘人さん(21)、寺尾進太郎さん(23)、鈴木由美さん(35)がブラジルを訪れた。
 一行は9月11日に来伯。サンタカタリーナ州サンジョアキンや、クリチーバ、アチバイア、ピエダーデの県人農家で農業研修を行ったほか、サンパウロ州ボイツーバのサトウキビ畑・アルコール工場などを見学した。会員宅でのホームステイなども体験した。
 実家が専業農家という寺尾さんは、「皆さん自分の意思を持ってやっているから大きくなったと思う。勉強になりました」と話す。
 「移民の国だから、色々な所でいろんな国が見える」という藤田さんは、「日本の反対で日本が見えた」と感想。現在大学生の森田さんは「皆さん日本の人より日本の事を考えてくれていると思った」と語った。
 以前にコロニアで出版された本について問い合わせた際、書店がわざわざパンフレットを送ってくれたという経験のある鈴木さんは、「ブラジルは色んな民族が溶け合って、おおらかに暮らしていると感じた。会員の皆さんにも親切にしてもらった」と滞在を振り返る。一方で、デカセギや移民の歴史が日本で知られていないことに残念そうな様子も見せていた。
 藤原会長は「意外とブラジルのことが知られていない。各地を訪れることで理解が深まれば」としながら、「会員も協力的で、積極的に取り組んでくれるので、これからも制度を続けていきたい」と話した。