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ANAに水害対策室設置=〃転ばぬ先の杖〃となるか=例年以上頻発の可能性指摘

ニッケイ新聞 2009年11月7日付け

 本格的な雨の季節を前にした5日、国家水資源庁(ANA)に、全国の貯水池などの実態を把握し、防災に役立てるための特別室が設置された。
 5日、6日付エスタード紙によれば、雨の多い今年は、全国の貯水池水量も例年以上で、年末や年始に、08年以上の水害発生の可能性を懸念する声が上がっている。
 例えば、10月28、29日付同紙によれば、同月27日に起きたサンパウロ州カラピクイバやバルエリの洪水は、コチア川上流の貯水池水量が101・8%となり、溢れた水が下流の町を襲ったもの。
 3メートルあった川の水深がわずか10センチになっていた事もあり、1・7メートルの増水で浸水家屋が続出。交通網も寸断され、バスさえ入れない所も出た。地域住民によれば、同地域では少なくとも10カ月、貯水池水位が上がったままだったという。
 これがいかに異常な状態かは、例年なら貯水量30~50%のアウタ・コチアやクラーロ川流域で、100・7%と101・9%を記録との5日の記事からも明らかだ。
 ANAによれば、全国2万の貯水池の内、大型の630だけを見ても、貯水量が90%を超えた所が39、95%超の所も21あるという。
 これら大型の貯水池の場合、急激な雨でもいきなり水が溢れる危険は少ないが、小規模な貯水池では、増水が起きると、溢れた水が一気に川を下る可能性もある。
 そのような意味で、南部、南東部、中西部の貯水池水位が高いとの情報は、人口密集地域での水害発生の危険度が高いということも意味する。
 このため、先の特別室には、貯水池の水位と天候の動きを捉え、水害発生の危険を前もって地域防災局に知らせるという機能をもたせて、防災対策の第一歩とする。
 一方、地域の被害を最小限に食い止めるには、住民への通報システムを含む、自治体毎の治水、防災対策も必至で、川底の浚渫作業、堤防の補強などを急ぐ必要もある。
 政府の災害対策費の大半は事後処理に回り、防災支出は1・7%という実態は9月16日付本紙既報だが、何らかの本格的対策を講じぬ限り、年末年始の水害は例年を上回るものとなりそうだ。

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