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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年11月7日付け

 鳩山政権が発足して50余日になる。アメリカには新しい政権が生まれてから100日間は批判を控えるの慣習があるそうながら鳩山内閣の政治運営にはどうもぎくしゃくしたところが多い。明治19年から続く「事務次官会議」を123年ぶりに廃止し「官から民へ」と踏み切ったのは高く評価したいし、10年度予算編成で麻生政権の概算要求をご破算にしているのも致し方あるまい▼だが、余りに急激な政策変更のために都道府県の知事や市長らが戸惑いをしているのも事実である。「コンクリトから人へ」の転換は正しいとしても、地方自治体にとって公共事業は極めて大切なものだの意識をもっと深める必要がありはしないか。民主党が編成しようとしている予算の概算要求も95兆円を突破しているし、赤字国債の発行も44兆円超と飛びぬけている▼もっとも危惧されるのは、日米の外交をどう進めるのか?である。インド洋の自衛艦による給油活動は撤退を決めているし、最も肝心な沖縄の普手間飛行場の移転についての閣僚らの発言はバラバラ。防衛相は、自民党政権がアメリカと合意した名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設を主張し、外相からは嘉手納基地へ移せばいいの意見なのである▼首相はなんとも曖昧模糊であり、県外や海外えの移転も心のどこかに潜んでいるかにも見える。米のゲーツ国防長官は、日米合意の履行を求めており、民主党政権とのギャップは大きい。ことは日本とアジアの安全保の問題であり、沖縄や神奈川の知事もシュワブ湾への移設としている。鳩山政権の慎重な取り組みをお願いしたい。 (遯)