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日伯つなぐ高校生DJ=浜松のアイラさん

ニッケイ新聞 2009年11月13日付け

 【静岡新聞】ブラジル人住民の多い浜松市で、日本とブラジルの懸け橋となる2カ国語番組を制作するラジオパーソナリティーがいる。浜松エフエム放送(FMハロー!)に勤務する日系ブラジル4世のアイラ・ウエンディさん(18)=同市中区高丘=。日本語とポルトガル語を駆使し、「ブラジル人らしい、明るい雰囲気を届けたい」と奮闘中だ。
 毎週日曜放送の1時間番組「アミザージ(日本語で『友情』)・ハママツ」。日伯移民百周年を記念して昨年始まり、ブラジルに関係する日々の話題、音楽や行政に関する情報などを紹介している。アイラさんはこの番組の司会進行に加え、編集作業や別番組の収録、リポーターなどもこなす。
 高校2年生の時、知人の勧めでこの番組にボランティア出演したことがきっかけとなった。4歳で来日したアイラさんは私立高に通ったが、昨年からの不況で母親が失業しため中退。目標を失いかけた時、番組の上司が声を掛けてくれた。「挑戦してみないか」。ことし2月、ラジオの世界に飛び込んだ。
 編集作業はゼロから学んだが、曲の合間に流すサウンドステッカー(効果音)を提案するなどアイデアも豊富。苦労して作った番組が流れた時は「今まで味わったことのない達成感」と制作に夢中になった。駿河湾沖地震や台風襲来時にはポルトガル語で緊急放送も行い、外国人への情報提供としてのラジオの役割も痛感した。
 4月からは浜松北高定時制に入学し、昼間のラジオ局と両立させる毎日。「忙しいけれど本当に充実しています」と話し、同僚らも「二つの国の文化を伝えられることは強み」と見守る。