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ロウセフ官房長官=「伯の停電は永遠の課題」=落雷突風は天災事故=野党、杜撰管理追求で攻撃=大雨大雪は自然現象?

ニッケイ新聞 2009年11月14日付け

 ジウマ・ロウセフ官房長官は12日、「停電は不可抗力の落雷や突風などによる天災事故で、それから逃れることは不可能だ」とする声明を発表と13日付けエスタード紙が報じた。「政府は10月29日、電力不足の到来はないと公約したが、停電がないと約束したのではない」という。しかし、前政権が節電を呼びかけたような失策はないし、節電は失政であると批判した。「停電は不快なことであるが、対策は磐石であり、落雷の防止までは保障できない」と開き直った。

 ルーラ第一次政権で鉱動相を担当した官房長官は、ブラジルの送電網を強化した。送電システムの不備で野党の責任追求を受け、40時間の沈黙を守っていた。それが12日突如、反撃に出た。「ブラジルにとって停電は、永遠の課題である」というのだ。
 官房長官には大統領候補という思惑があり、インフラ不備の体たらくは許されない。節電を強いた前政権のような失態は演じないという。当政権で必要な電力は、手配済み。政府公約は節電否定であって、停電否定ではないと釈明した。
 電力はあるので、電気の問題は解決済み。国民は安心して生産に励むこと。操作管理が人為的に可能な部分は、完璧である。政府は国民が払う電力料金よりも、高額の費用を電力供給のために払っている。それをマスコミは、節電と停電を混同し混乱させた。
 ルーラ大統領は「地球が丸いので、ブラジルの一存で明日のお天気を決めるわけにいかない。異常気象は、まだコントロールできる状態にない。地震の多い日本では、ゴムや紙の家をつくる研究をしている。ブラジルも大小のプールを作っている」とルーラ大統領が抗弁をした。
 大統領府ではロボン鉱動相始めイタイプー発電所のジョルジェ・サメク所長など関係者を招集し、大統領選を視野に入れた停電対策会議を開いた。技術的な処理よりも、官房長官の得意な政治的手腕により「野党即時代遅れ」で追求を踏み潰す考えのようだ。
 しかし、セーラサンパウロ州知事は「子供騙しのような釈明で国民は、満足しない。落雷や突風は自然現象であって、異常現象ではない。だから落雷や突風で故障をするようなシステムであってはならない」と抗議した。
 野党は議会で、停電に関する官房長官の説明を求めるという。前政権当時は絶対発電量が不足し、設備の保全は完璧であった。それに引き換え現在は発電量が豊富であるが、管理が杜撰なのだと野党が指摘した。