ニッケイ新聞 2009年11月14日付け
10日の大停電後の断水すら未解消だったリオ州南部が、11日から12日に豪雨に見舞われ、少なくとも3人が死亡、3500人以上が避難生活を強いられている。
11~13日のサイトや13日付伯字紙によると、11日夜からの豪雨では、9時間に月間降水量の70%が降った所もあり、州内四つの川が増水。バイシャーダ・フルミネンセのノヴァ・イグアスーでは、土砂崩れで死者3人、負傷者2人との報告も出ている。
被害が出ているのは、リオ市北部、トレス・リオス、ベルフォルド・ロッショ、ドゥッキ・デ・カシアス、ノヴァ・イグアスー、タングアー、ナチヴィダデなど。
13日付G1サイトによれば、トレース・リオス1540人、ベルフォルド1142人、タングアー193人、ヴァレンサ167人などが避難生活中で、D・デ・カシアスとベルフォルドでは非常事態宣言も出された。
一部地域では12日から13日にかけても雨が降り、水位が下がらないというが、あっという間の浸水で家財道具はみんなだめになったと嘆く人や、やっと購入した新居の壁に泥水の跡が残る様子などもネットで報道。
中には、沐浴用のプラスチックの浴槽に入れた赤ん坊を男性2人が助け出す様子や、気分が悪くなった婦人がトラクターのショベル部分に乗せられて病院に運ばれる様子など、地域住民が互いに手を伸べ合い、助け合う様子が伝わる画像も。
大統領や官房長官は天災相手の大停電は不可避と言うが、リオ市の排水溝や州の川底が浅くなっている事は、以前から指摘されていた。川砂の除去などを行ったとの報道は目にしていないが、大停電で五輪開催を危ぶむ声が上がった直後の天災で、インフラ投資は土地接収や建設だけでは済まない事も実証された。
なお、新水害の起きた12日にやっと、昨年末から今年始めにかけての水害被害地での再建工事などへの、連邦政府と州政府からの事後対策費7620万レアルの支出解除と13日付エスタード紙が報道。州知事は防災対策も進めているというが、州環境局長は、投資額は必要額の3分の1程度と答えているという。