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米イラン首脳会談=ルーラがお膳立て=安保理常任理入りの土産か

ニッケイ新聞 2009年11月18日付け

 ルーラ大統領は15日、オバマ米大統領とイランのアハマディネジャド大統領の直接会談設定でお膳立てに専念中であることを表明と16日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 ブラジルは今、外交能力の全てを投じて試しているようだ。国際問題の焦点ともいえる米イラン間へ切り込んで、問題の2人を引き合わせ直接談判させるらしい。
 イラン大統領の23日訪問で、ホワイト・ハウスが30年にわたったイランとの外交断絶に終止符を打ちたいと希望していることで、ルーラ大統領が両者を引き合わせようと考えている。
 ブラジル外務省は、イラン外務省へ米国との間で疎通を欠いていることを発言しないよう忠告した。イラン大統領がイスラエル非難やホロコースト否定、後盾となっている米国への攻撃を慎むよう要請した。
 アハマディネジャド大統領の訪伯で点数を稼ぐのは、イランである。ブラジルは火中の栗を拾う。2010年と2011年には、国連安保理の常任理事国入りという賭けがある。ブラジルにとって、イランは危ない橋といえそうだ。
 同大統領の訪伯には、オバマ米大統領との直接対話が話題になる。現状で会談実現は不可能と見られるが、両国の国民から希望が盛り上がれば、国際平和は前進する。ルーラ大統領としては任期中に、両者の会談を実現したいと願っている。
 イタマラチーの見方では、国際舞台でブラジルの考え方が通用するなら、世界政治の新しいモデルとなると考えており、ルーラ説得外交の勝利といえる。
 ルーラ大統領は11日、ペレス大統領を前にイランのアハマディネジャド大統領を招いたことを説明した。その時、「気心の知れた者同士の話では、中東和平を実現できない。イランは中東和平の大切な切り札であり、イラン抜きの中東和平はない」と断言した。
 アハマディネジャド大統領を招いた表向き理由は、文化交流とノービザ協定、観光促進などの月並みなもの。しかし、歴史に残る壮大な夢が秘められていることは、双方が感じている。