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CCJ=社会保障制度が混乱=最賃同率調整の年金を承認

ニッケイ新聞 2009年11月19日付け

 下院法制委員会(CCJ)は17日、アルナウド・F・サー下議(PTB=ブラジル労働党)上程の社会保障システム枠つき年金制度を廃し、最低賃金と同率調整という新たな年金制度を承認したことを18日付けエスタード紙が報じた。
 同案は次に、下院本会議で審議と表決が行なわれる。しかし、社会保障枠廃絶のためには、年金が途中で挫折しないための代替案が必要になる。年金に関する攻防戦は、表決だけでは決着しない複雑な問題がある。
 しかし、年金生活者は既に、代替案拒否の姿勢を示し、すべての年金について最賃と同率調整するよう求めている。本会議で同原案が承認されるなら、社会保障制度は政府にとって新たな頭痛の種になる。
 世界各国の社会保障制度は、現状維持が困難で将来の成り行きが危ぶまれている。ブラジルもようやく、雪だるま式に増えた社会保障院赤字を長期的になし崩す枠制度を案出したばかりだ。
 枠制度では社会保障基金を積み立てた期間と現在の年齢をたし合わせて男性95歳以上、女性85歳以上で年金全額受領の定年を迎える。同制度では、公務員の早期定年が廃止になる。
 政府は、すべての年金での最賃との同率調整を避けるため、2010年と11年の年金に、最低賃金調整率より多い6%調整も考えている。その期間の目標インフレ率は2・5%だ。しかし、財政収支がそれを許さなければ、ルーラ大統領が阻止する可能性がある。
 同案上程者のサー下議は、積み立て期間と年齢をたし合わせる年金制度は、連邦令によれば違法であると見ている。だから枠つきも代替案も、認めないとしている。

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