ニッケイ新聞 2009年11月19日付け
自動車産業は最近2年、業界史上最大の財政圧力を受け、企業の構造改革を余儀なくされていると17日付けヴァロール紙が報じた。圧迫感を感じているのは、自動車関連の全企業で、車種数の削減と企業の再編が迫られているという。
例えば、CSMワールド・ワイド自動車会社は、120箇所に系列工場を有し、年間8590万台の生産能力がある。しかし、今年の販売見込み台数は、生産能力を3千万台も下回る5590万台だ。これは設備稼働率が、65%に留まったことを意味する。
この問題を解決するのは、生産規模の縮小しかないと見られる。今回の金融危機は、車種削減と自然淘汰のチャンスのようだ。総合力の劣る企業は消え、優る企業が利益を上げて生き残ることになりそうだ。
政府は自動車組みたて企業を、国家の基幹企業として保護した。自動車産業は多くの雇用を創出する戦略産業と見なされ、下請けを含めた劣悪企業も脱落せず守られた。
そこへ新興国の後発自動車企業が、価格破壊戦争を布告してきた。業界は弱り目に祟り目。高級車もソックリさんの出現で驚いている。特に老舗と思われた企業ほど、深刻のようだ。