ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 内輪もめで夢に終止符=パルメイラス優勝圏外に=SFCの信頼感と好対照

内輪もめで夢に終止符=パルメイラス優勝圏外に=SFCの信頼感と好対照

ニッケイ新聞 2009年11月20日付け

 サッカーのブラジル選手権も終盤だが、優勝が3チームに絞られた直後の18日、パルメイラスが痛恨の1敗を喫し、優勝圏外に退いた。
 19日付伯字紙が第1面に掲載したのは、対戦相手グレミオのホームグラウンドで争うパルメイラス選手達の写真。
 前半終了間際に相手の得点を許した事で、休憩時間に入るや否や、守備のマウリシオが、アタッカーのオビナに「お前が決め損なったから悪いんだ」と平手打ち。これに激昂したオビナがマウリシオに反撃するのを見たチームメイトが、慌てて引き離したが、ケンカは更衣室でも続いた。
 この様子を見ていた審判は、後半開始前に両選手に退場命令。9人で戦う事になったパルメイラスは、更に得点を許し、2対0で敗北した。
 シーズン半ばの好調がうその様なパルメイラスだが、最近はサンパウロ(SFC)やフラメンゴに追い越され、優勝のためには残り試合全勝を義務付けられていた。
 その上、1対0で負けた8日の対フルミネンセ戦で、オビナのシュートを無効にした審判に抗議した会長のルイス・G・ベルーゾには、9カ月の謹慎命令など、日毎の緊迫は高まるばかり。
 この状態で負けを意識させられた選手の緊張の糸が切れたのが今回のケンカで、勢いを失い、追い込まれたチームの心情をそのまま映し出す光景だ。退場の2人は、チームからも解雇された。
 一方、対照的なのは、18日のスポーツ高等裁判決で3選手が3試合出場停止となったSFC。8日の対グレミオ戦途中退場のボルジェス、ダゴベルト、ジェアンが、最終戦しか参戦できなくなるという重い判決だ。
 弁護士は19日に上告予定だが、「この判決でチームはより一体化し、自分達が試合に戻るまで優勝に向け突き進んでくれるはず」とのボルジェスの言葉が、終盤になって1位に浮上、昨年の選手権では、3年連続、6度目の優勝という金字塔を打ち立てたチームの状態を表している。
 18日のパルメイラスの敗北で、優勝はSFCとフラメンゴの争いに絞られたブラジル選手権。パルメイラスは、リベルタドーレス杯出場にも黄信号が点り始めた。