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地球温暖化とブラジル=3兆6千億Rの損害=被害甚大は農業とエネルギー

ニッケイ新聞 2009年11月26日付け

 宇宙研究所(INPE)など官民の11科学研究機関は24日、地球温暖化のためにブラジルは2050年までに3兆6千億レアルの損害を被るとする調査報告を発表と25日付けアブリル・サイトが報じた。
 温暖化防止の対策を講じないなら、2050年にはGDP(国内総生産)の2・3%を失うことになる見通しだという。例えば法定アマゾンを始めとする地域の農業生産方式の改善やエネルギーの産出方法を工夫する必要があると同報告書は提言した。
 気候変動が世界経済に20%の影響をもたらすとする英国のスターン報告にならい、2年の歳月をかけて同調査を行なった。地球レベルの気候変動の中で、各国政府間の連携により、ブラジルへの影響を割り出した。
 気候変動の影響を最も受けるのは、農業生産とエネルギー分野と同調査は言っている。気候変動に即した対策が採られないなら、サトウキビを除く全ての農業生産に支障を来たすというのだ。
 気候変動により、作付け可能な農耕地の範囲が極度に制限される。コーヒー栽培は、18%の減反となる。大豆栽培は30%の減反。この気候変動による農業生産の落ち込みは100億レアルに達すると見込まれる。
 エネルギー部門の温暖化対策不在は、高い代価を払う。河川の流水量が激減し、発電能力が著しく制限される。特に北東部と北部は顕著だ。
 海岸線は海水の水位が上がるため、2075億レアルの資財損失が見込まれる。法定アマゾンでは、動植物系の38%が絶滅する恐れがある。地域経済には環境関連だけで年260億レアルの損失が生じる他、アマゾンの森林の40%がサバンナ化すると予想される。
 ブラジルは、経済政策と社会福祉政策がよく機能していることで、国際社会から一目置かれている。次はこの2政策に環境政策を加え、温暖化対策の先進国として国際社会をリードして欲しいと同報告書は結んでいる。

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