ニッケイ新聞 2009年11月26日付け
1970年代の最盛期には250人の生徒を抱えていたヴァルジェン・グランデ日本語学校・幼稚園が75周年を迎え、10月24日、同校で記念同窓会が催された。教員、元生徒ら200人が集まり旧交を温めた。
戦時中の閉鎖期にも、少人数での寺子屋式で見張りをつけるなどして熱心に教育を続けた同校。ここで日本語を学んだ生徒の総数はのべ800人にのぼる。
会館内に新たに設けられた資料展示室では、「今の本人を見ても誰だかわからないけど、昔の写真を見たら誰だかすぐわかるわね」とパラナ州から60年ぶりに同地を訪れ昔を懐かしむ人もいた。
同校では日本語教育のかたわら野球や剣道なども盛んになり、1949年に行われた第1回聖南西野球大会では優勝を飾った。当時のチームのメンバーだった古川渉さん(77、二世)は、「おかげで今も日本語のほうが楽。ここは自分の故郷そのもの。うれしいね」と、かつての仲間たちとの再会を喜んだ。
現在生徒は約50人だが、日本語学習をもっと身近に感じてもらおうと、近隣の子どもたちに学校を開放する「フレンズデイ」の企画や、ソフトバレーやテニス、野球などのスポーツにも力を入れる。
さらに、年4回行う「ヤキソバの夕べ」で資金を調達するなど、一世から三世まで力を合わせて運営にあたっている。