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法相がスイス訪問=違法送金の回収システムを
ニッケイ新聞 2009年11月27日付け
タルソ・ジェンロ法相は25日、スイス銀行に預金されている2800万ドルの違法送金を国庫へ回収することで、スイス法務省と合意に達したことを発表と26日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
この違法送金は、リオ州でガロチニョ元知事の時代、同州の財務局監督官が企業経営者らに脱税を指南、見返りにリベートを受け取るシステムを構築し、10年間もスイス銀行へ送っていたもの。
同違法預金は2010年始め、ブラジル向け返金される。ジェンロ法相は3日間の日程でスイスを訪れ、ブラジルから犯罪組織が送金した違法資金の回収システムを同国に構築する考えだ。
スイス訪問には、違法送金の専門家3人も同行。ブラジルの違法送金システムは2002年7月、ジュネーブに本店を持つ手形割引専門のCieTrust銀行で発覚した。同銀行のリオ支店が、窓口であった。
同違法システムには、リオ州の税務監督官4人と国税局の監査官4人、同州の元財務次官が関与していた。脱税指南を受けたのは400社。同元次官は、ロジニャ・ガロチニョ元知事の選挙運動で会計担当を務めた。
違法システムの構築には、資金流入の違法ルートと資金洗浄がセットになっている。システムが機能すると、合法活動のように経理操作が施されるため犯罪の発覚は、殆ど不可能に近い。
スイス政府は、違法資金であることが証明されないと返金に応じない。法相のスイス訪問では、同行の専門家から犯罪の手口をスイス政府に説明し、回収ルートとシステムの設置を極秘裏に進める計画のようだ。