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税制特典が1人歩き=宗教法人はビジネス対象

ニッケイ新聞 2009年12月1日付け

 僅か418レアルを収めれば設立可能な宗教法人としての教会には、IR(所得税)やIOF(金融税)、IPTU(固定資産税)、ITR(農地税)、IPVA(車両税)、ISS(サービス税)免税の恩典があり、責任者は、法に抵触しても聖職者用の刑務所へ収監され、軍役も免除されるとフォーリャ紙が11月29日に報じた。
 ICM(流通税)は宗教の定義と税法が異なるので、少し複雑。サンパウロ州は課税。リオ州やパラナ州などは免税。宗教団体の資産分与を個人また法人が受け取ることは禁止だが、謝礼はその限りでない。名目を変えれば、いくらでも受け取れる。 
 宗教法人が法律の定める範囲内で活動をするなら、完全犯罪も可能であるという。宗教法人を設立するのに、神学や教理、教えは不要。必要最低限の信者がいて、形式的に年1回の信徒大会を開催し、定款を当局へ登記すればこと足りる。
 信仰の有無を、法律は一切問わない。宗教法人であるための一切の義務や修業、布施、形式はないし、強制もない。宗教団体内の活動は自由裁量であり、いかがわしくても公的機関が立ち入り制限することはない。
 英国系教会は世襲制で、生まれると聖人の特別扱いだ。サントダイメ教会は儀式での麻薬使用が許されている。信者以外は禁止だが、信者の麻薬栽培、吸引が裁判所から許可されている。
 宗教団体への特典は、まだある。資産の接収や抵当物件としての差し押さえが禁じられている。宗教法人に対する税制上の特典は、権利として認められているので、ビジネスの対象にもなる。 

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