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クルグマン博士=ブラジルの悩みは為替=輸出停滞で経常収支悪化

ニッケイ新聞 2009年12月4日付け

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルグマン博士は2日、「恐慌は、まだ終わっていない。ブラジルは来年も、引き続きドル安の影響で色々な課題を負い、世界経済の牽引車にはなれない」と述べたことを3日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 同博士はゼミで次のように述べた。「ブラジルが恐慌を克服するためには、為替問題を解決すること。これを克服できないと、ブラジルは輸出が停滞し経常収支が悪化する。中銀のドル介入にも限度がある」と。
 政府が採った景気対策は妥当であったが、過度の楽天主義は危険だから、気を許してはならない。ブラジルの経済成長率はまだ本物ではない。
 ブラジルの銀行システムが健全で、高リスクの貸し付けをせず、米国の轍を踏まなかったことは賢明であった。サブプライムに、引っかからなかったことも称賛する。
 米経済は来年、2%成長が見込まれているが、経済活性化資金がなく、下半期には減速すると見られる。同博士自身も、個人資産はブラジルに投資しており、ブラジルを通貨の避難所とする考え方は正解だと見ている。

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