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県連が郷土食本を出版=日本各地の味を紹介=執筆は康本静子さん

ニッケイ新聞 2009年12月4日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(与儀昭雄会長)は47都道府県の郷土料理をポ語で紹介した本「郷土食」を刊行、1日文協貴賓室で出版記念祝賀会が盛大に行われ、約80人が祝った。
 執筆したのは日本料理研究家の康本静子さん。懇親会では康本さんらが調理した郷土食が実際に用意され、参加者は各地の郷土食に舌鼓を打っていた。康本さんは準備した料理のことについて触れ、「少しでも違った味を味わってください」と挨拶した。
 同書には各県4品の料理を紹介、県の歴史や文化、料理の由来も記載している。分量や作り方が事細かに説明され、全ての料理は写真付き。康本さんによれば、郷土食で、かつブラジルで調理できる料理を選んだという。
 日本祭りでもお馴染みの広島のお好み焼きや沖縄のサーターアンダギーも掲載、京野菜で有名な賀茂ナスに白味噌を乗せ、甘焼きにする京都の「賀茂ナスの田楽」や、薩摩芋とアンコが詰まった熊本の「いきなり団子」など全188品が紹介されている。
 さらに同書には、昔の生活様式が分かるように、すり鉢や臼などの調理道具や新年の儀式、お盆の様子などの写真も掲載されている。
 「最後の仕事かな」と笑いながら話す康本さん。日本語で理解するのは難しいので、今のうちにポ語で説明したかったという。同書は10年前から練っていた構想で、07年に出した魚の本に続いて3冊目。「日本食は少ししか知られていない」と語り、「寿司や刺身だけではない。本当の日本食は郷土食」と改めて強調した。
 与儀会長は「日本料理の本はほとんどが日本語。三世でも四世でも読めるものが出来て嬉しい」と語った。
 同書はA4版カラー、211頁。宮坂国人財団の協力で実現した。発行部数は1千500部、同書はインターネットのみでの販売。希望者はコジロー出版サイト(www.editorakojiro.com)、問い合わせは同出版(電話=11・3277・4121)まで。