ニッケイ新聞 2009年12月4日付け
新聞にフリガナを振るかどうかについて、いろいろな手紙をもらったし、あちこちで意見も聞いている。今のところ好意的な声の方が多い印象がある。ただし、先日掲載した座談会のように「読みにくい」「フリガナ付きなら読みたくない」という声も根強くある▼コラム子が普段、一番歯がゆく感じるのは、普段取材している地方日系団体の理事の大半はバイリンガル二世であり、日本語で会話をしているのに、我々が書いた記事を読んでもらえないことだ。日系団体の主軸を担う層に読んでもらってこそのコムニダーデ新聞ではないかと常々思う▼コラム子が渡伯した92年、文協理事会は100%日本語だったが、今ではポ語。つい数年前からパラナ州のリーガ・アリアンサもポ語主体の総会になり、ノロエステ連合のように日本語で押し通しているところの方が少数の状況になった▼たとえ会議はポ語でも、日系団体の理事の多くは両語が達者な層であり、そのようなバイリンガル二世はフリガナさえ振ればコロニア記事の7割は理解できるようになると思う。しゃべるだけでなく少しでも日本語を〃読む〃生活をすることで徐々に漢字を覚える▼一世読者の理解は不可欠だ。なぜなら、みなさんから子や仲間の二世層に新聞を読むことを勧めてもらわないと、この動きは広まらない。一世にとっては邪魔なフリガナかもしれないが、コムニダーデの将来を考えたら、話は別ではないか▼戦前二世の多くはすでに70代、80代となった。この層が健在な今のうちに、コロニアの日本語環境を少しでも残す取り組みが必要だ。みなさんの意見を寄せてほしい。 (深)