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大サンパウロ市圏が再びカオスに=洪水、停電に土砂崩れも=州内では最低10人が死亡

ニッケイ新聞 2009年12月5日付け

 9月8日の雨で大被害を被った大サンパウロ市圏が、3日の雨で再びカオス(混沌とした状態)と化したと4日付伯字紙や各種サイトが報じた。
 サンパウロ市の場合、15時40分からの1時間で月間平均降水量の25%にあたる53ミリを記録する集中豪雨で、洪水40カ所以上、停電4地区、都電(CPTM)の一時運行停止、土砂崩れなどの被害が報告されている。
 洪水で通行不能となった、レボウサス、ファリア・リーマ、ブラジルなどの主要道路では、水に囲まれ動けない車や流されたりした車も続出。
 仕事帰りの人も、徒歩で帰ったり、バスや車、電車が立ち往生し、普段の何倍もの時間をかけて家に辿り着いたりと散々で、20時の渋滞は通常の130キロを大幅に上回る218キロだった。
 一方、大サンパウロ市圏の土砂崩れでは、死亡6人、行方不明が2人。サンパウロ市南部エミ・ボイ・ミリンとイタペセリーカ・ダ・セーラの境界部では、子供3人と子守の女子青年が死亡。死亡した姉妹2人の母親は数件先の家で仕事中、離婚した父親は、週末のパーティーに姉妹を連れて行く予定だった。一緒にいた女子青年の妹の1人は助かった。
 一方、市東部パルケ・サンラファエルの土砂崩れは30メートルに及ぶもので、男性1人死亡、行方不明2人。不明者捜索は難航しており、4日13時現在、未発見だ。
 また、マウア市でも4日未明に3カ所で土砂崩れが起き、女性1人が死亡、8人負傷という。
 サンパウロ州内では、ピニャウジーニョの土砂崩れで夫婦1組、イグアペの落雷でも夫婦1組の死亡が確認されている。
 今年の天候不順については、サンパウロ総合大学教授が、市街化や温暖化でサンパウロ市の気温は2度上昇しており、これらの要因が、より激しい雨や落雷、降雹などを引起こしていると11月に発表。
 サンパウロ市の防災池建設費支出は予算の8%で、土砂崩れの危険が指摘されていた地域への防災費支出も21%。道路の取水口封鎖防止のための清掃・保守などには1億8千万レアル支出と言っても、目につくところには金を出すのに、命にかかわる部分は出し渋りとの批判は免れそうもない。
 なお、11月27日からの悪天候による州内死者は、前述分以外にも最低4人報告されている。