ニッケイ新聞 2009年12月5日付け
ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)、ブラジル日本移民史料館(栗原猛運営委員長)、サンパウロ人文科学研究所は1日、開館30年を記念した写真展「あの人も来た日本移民史料館―開館30年の歴史を振り返る」の開会式を同史料館9階で開催した。一般社会や日本からの訪問客への〃顔〃としての役割を果たしてきた同史料館。改めて同館の意義を認識してもらい、今後も多くの人に移民の歴史を語り継いでもらいたいという目的のもと開催された。
大部一秋在聖総領事夫妻、ブラジル日本商工会議所の田中信会頭、文協の木多会長や県連の与儀昭雄会長、JETRO(日本貿易振興機構)サンパウロセンターの佐々木光所長の姿もみられた。同史料館関係者や一般の参加者など、約60人で賑わいをみせた。
開会式で木多会長は「日本移民の集大成でもある史料館に、関心をもってもらうのも文協の課題」とし、「当時の様子を思い出し歴史を再認識して欲しい」と挨拶をした。
続いて大部総領事は初めて来館した今年1月13日のことを振り返った後、「ここがブラジル国内に数ある移民史料館の原点。時の経過と共にますます価値が高まるだろう」と祝辞を送った。
人文研の宮尾進顧問により1978年に完成した同史料館の歴史などが説明された後、JICAサンパウロ支所の千坂平通支所長の音頭で乾杯。参加者らは写真を見ながら歓談した。
パネルは全部で36枚あり、30年の歴史年表や著名人の写真が展示された。写真は種類毎に分かれ、「文化・芸能・スポーツ界」のコーナーでは俳優の三船敏郎さん(1981年来館)や、映画監督の山田洋次さん(2000年)などの写真もあった。また、「政財界」のコーナーではパウロ・サリン・マルフサンパウロ州知事(当時、1981)や鈴木善幸首相(当時、1982)をはじめとした首相や大臣の写真が並べられている。
栗原委員長は「我々にとっても整理になった。継承しないと意味がない。お孫さんを連れて、是非見に来てください」と語った。
一般公開は10年1月31日まで。入場料は常設展と同額で、一般5レアル、学生2・5レアル、子ども(6~11歳)1レアル、幼児(5歳以下)および65歳以上は無料。常設展も見ることができる。